住田と藤本がそれぞれ研究構想の発表を行いました。
住田 「科学と裁判:疫学的因果関係」
住田からは、Sheila Jasanoff 氏の講演記録を紹介しつつ、日本における科学と裁判の協働という視点から研究構想を発表していただきました。
今後は、四日市ぜんそくを事例としながら、法廷における疫学的因果関係について考察を行っていくとのことでした。
藤本 「戦前日本における<身体障害>と医療/技術」
藤本からは、明治後半から終戦までを対象として、身体障害者に対する医療/技術の歴史についての報告がなされました。
また、重要な先行研究として、河野勝行『障害者の中世』(文理閣、1987年)や生瀬克己による一連の論考が取り上げられ、<処遇される障害者>という従来の視点からの脱却を目指した両氏の歴史記述についての紹介が行われました。
一方、医学史・技術史的な関心から、坪井良子『日本における義肢装着者の生活救護史研究』(風間書房、2002年)に基づき、義肢装具技術史についての説明が行われました。